割栗石の定義
石は色んな種類があります。そもそも割栗石とはどういった物なのでしょうか。定義からお話いたしましょう。
割栗石とは?
割栗石とは、岩石を砕いて作られた小さな石のことです。一般的には、コンクリートや道路の基礎材料、土木工事などに使用されます。割栗石は、自然の岩石を機械で割って粒度を揃えたものが多く、形が不規則で角ばっているのが特徴です。このため、しっかりと組み合わさって安定した基盤を形成しやすく、地盤の補強や水はけをよくするために使われます。
割栗石の読み方は?別名は?
「割栗石(わりぐりいし)」と呼びます。グリ石とも呼ばれる事が多いです。
割栗石の英語読みは?
「割栗石」の英語表記は「crushed stone」や「crushed gravel」が一般的です。
割栗石の種類(JIS規格)
JIS規格(日本産業規格/法律で定められた基準)では、割栗石に使用される岩石は全部で6種類になります。
花崗岩・安山岩・砂岩・凝灰岩・石灰岩・けい岩
割栗石のサイズ・規格
サイズは主に2種類です。
50mm〜150mm(5cm〜15cm)
150mm〜200mm(15cm〜20cm)
質量による区分:割栗石は大きさではなく、質量(重さ)で規格が分けられています
呼び方 | 1個の質量 |
割ぐり石 | 10kg |
割ぐり石2号 | 20kg |
割ぐり石3号 | 30kg |
割ぐり石5号 | 50kg |
割ぐり石10号 | 100kg |
割ぐり石30号 | 300kg |
割ぐり石50号 | 500kg |
割ぐり石70号 | 700kg |
割ぐり石100号 | 1000kg |
割栗石どこに売ってる?
ホームセンター等で購入できます。また通販などでも購入できます。
他の石との違い
では他の石とは何が違うのでしょうか。ここでは良く間違われる他の石との違いについてご紹介します。
栗石との違い
栗石とは形状は自然のままの石で、ほとんど加工されていません。不規則な形状をしており、表面が比較的滑らかなことが多いです。形状や大きさは自然のままなので、個々の石の形にばらつきがあります。一般的に、栗石のサイズは50〜300mm程度と幅広いですが、特に規定されているわけではなく、産地や用途に応じて異なります。
ゴロタ石との違い
ゴロタ石は、自然の河川や海岸などで長期間の摩耗を受けて丸みを帯びた石です。そのため、表面は滑らかで形も不揃いです。主に景観や庭園、河川工事、護岸工事などで使用されます。石の丸みと自然な見た目が重要とされる場所で使われることが多いです。一般的に直径が10cm以上の大きな石を指しますが、具体的なサイズは用途によって異なることがあります。
砕石との違い
砕石は、岩石を砕いて人工的に作られた石で、比較的均一な大きさと形状をしています。割栗石と同様に角が多いですが、より細かく砕かれたものが多く、粒状の石になります。
捨石との違い
捨石は、特に形状にこだわらず、適当な場所に無造作に配置される石です。堤防、港湾、川の護岸工事などで、波や水流の力を抑える目的で使用されます。大きさや形状は揃っておらず、自然石が多いです。比較的大きな石で、直接的な構造的強度というよりは、土壌の安定や侵食防止のために使われます。海岸や川の護岸、波消しブロックとして使われ、主に防災目的で使用されます。
割詰石との違い
割詰石(わりづめいし)は、形状が揃った石材を、隙間ができないようにきっちりと詰めて敷き詰めた石のことです。通常、護岸工事や石垣、擁壁などの見える部分に使用され、景観的な美しさと強度を兼ね備えた配置が求められます。職人の技術が必要なため、工事には手間がかかりますが、その分、仕上がりがきれいです。石垣、擁壁、護岸工事、景観設計、庭園や建築物の装飾など、見た目と強度が要求される場所で使用されます。
玉石との違い
玉石は、自然に丸みを帯びた石で、河川や海岸などの自然環境で長期間の水流や波の影響を受けて形成されたものです。自然そのままの石が用いられます。サイズは様々で、10cm以下の小さなものから50cm以上の大きなものまであります。無加工の自然石であるため、隙間ができやすいという特徴がありますが、デザイン性が高く、庭園の装飾や景観設計、川や池の周りの石組みに使われるほか、河川や海岸の護岸工事にも使用されます。特に、自然な見た目を生かしたデザインが求められる場所で多く用いられます。
砂利との違い
砂利は川や海で自然に磨かれた石で、丸みを帯びた形をしています。角が少なく、手触りが滑らかです。サイズは比較的小さく、直径が数ミリから20〜30mm程度の小さな石です。
クラッシャーランとの違い
割栗石は、岩石を機械で砕いて、一定のサイズ(粒度)に揃えた砕石です。不規則な形の角ばった石で、通常は大きめのサイズの石が使われます。目的に応じて、粒度が管理されており、規格に合ったものを選んで使用します。それに対してクラッシャーランは、砕石と砂を選別せずに混ぜたもので、大小さまざまな粒度の石が混ざっています。細かい砂や粉砕された岩と大きな石が混在しており、特に粒度の選別を行わないため、安価で広範囲に使われます。
割栗石のメリット
では割栗石にはどのようなメリットがあるのでしょうか。後悔しないように特性を良く知ってどこでどの様に使うのかを判断しましょう。
割栗石のメリット1:水はけが良い
割栗石は、砂利とかに比べて形状が大きく不規則であるため、石と石の間に隙間ができやすくなります。この隙間によって水がたまりにくく、蒸発しやすく水はけが良いのが特徴です。これにより、道路や基礎の水分による劣化を防ぐ効果があります。
割栗石のメリット2:値段が安い
割栗石は、大きさを整える必要もないため一般的に他の砕石よりも安価です。そのため、広範囲にわたる工事においてコストを抑えることができます。特に、基礎や下層材として使う場合に、コスト削減に役立ちます。
割栗石のメリット3:耐久性が高い
割栗石は強度が高く、長期間の使用に耐えることができます。地震や風雨、圧力による変形や破壊に強いため、建築や道路の基礎を長期間安定して保つことができます。
割栗石のメリット4:環境にやさしい
割栗石は天然の石材をそのまま利用することが多く、加工が比較的少ないため、環境への影響が少ない材料としても評価されています。石材のリサイクルも可能で、持続可能な資材として利用されます。
割栗石のデメリット
次にどのようなデメリットがあるのでしょうか。メリットも視点を変えるとデメリットになる事があります。
割栗石のデメリット1:並べ方・積み方などの調整で手間がかかる
割栗石は形が不規則で大きさもバラバラなため、施工時に丁寧に並べたりする必要があります。均一に敷き詰めないと安定性が低下する可能性があるため、他の材料に比べて施工に時間と手間がかかることがあります。
割栗石のデメリット2:石同士のすき間が大きい
割栗石は不規則な形をしているため、隙間が多くなりがちです。これは水はけの面でメリットになる一方で、隙間に土砂が入り込んでしまうと、やがてその隙間が埋まり、排水機能が低下する可能性があります。また光も入ってしまうので雑草も生えてきます。場合によっては、定期的なメンテナンスや追加の材料を必要とすることがあります。
割栗石のデメリット3:振動や圧力への影響
割栗石は硬くて丈夫ですが、過度な振動や圧力を長期間受け続けると、割れたり崩れたりすることがあります。特に大きな荷重がかかる場所では、他の補強材や防振材と併用することが求められる場合があります。
外構・エクステリアにおける割栗石の用途
では割栗石が外構工事でどの様に使われているのかをご紹介します。近年にはやっているロックガーデン・ガビオンのフェンスなど独特でおしゃれな空間によく使われています。水はけもよく低コストなのも魅力の一つです。
割栗石の用途①:ロックガーデン・ドライガーデン
代表格と言っていいと思います。下記に表記しているものの総称がこのロックガーデンになります。植栽もロックガーデンならではの物が多く、乾燥や寒さに強い植物が使われています。
割栗石の用途②:ガビオン
ガビオン(Gabion)は、ワイヤーメッシュで作られたかごや枠の中に、石や砂、土などを詰めて作る構造物のことです。ガビオンは、主に土木工事や建築、景観デザインに使用され、堤防の補強や斜面の安定化、護岸工事などでよく見られます。また、近年ではデザイン性や機能性を活かして、庭園や建築の装飾にも使われるようになっています。
割栗石の用途③:門柱・門袖の下
門柱や門袖の下の一部に石と植物が設置されているのを最近良く見かけます。存在感があって渋いイメージになります。
割栗石の用途④:玄関・石畳アプローチ
乱形石のような張り方をするイメージになります。乱形石同様に、職人さんの石の組み方にセンスが問われます。
割栗石の用途⑤:植栽・庭木の花壇
花壇と割栗石の相性は非常に良好で、排水性や土壌の安定性、景観の美しさを兼ね備えたデザインに仕上げることができます。ただし、割栗石の使い方や配置には工夫が必要で、植物の生育環境やデザインのバランスを考慮して使用することがポイントです。
割栗石の用途⑥:法面・築山
法面や築山に割栗石を使用することは、排水性や安定性を向上させつつ、景観を美しく保つために非常に有効な手法です。特に土壌流出を防ぎつつ、自然な見た目を維持したい場合には、割栗石の活用が理想的です。
割栗石の用途⑦:駐車場の砂利の代わりに
砂利の代わりに使うとおしゃれな駐車場になります。タイヤ部分はコンクリートの方が良いでしょう。
割栗石の用途⑧:目隠しフェンスの下
独立基礎の下のスペースに割栗石を入れておしゃれな目隠しが出来ます。もしくはフェンス下に花壇を作り、その花壇の中に割栗石を入れる等によく使われます。
割栗石の用途⑨:プランター
ミニガビオンの中に入れたり、プランタの下に敷いたり、割栗石とプランターの組み合わせは、排水性の向上や景観の美しさ、プランターの安定性向上といった多くのメリットがあります。正しい使い方をすることで、植物の育成環境が改善され、庭やベランダがより美しく、管理しやすいスペースになります。
割栗石の用途⑩:立水栓
立水栓と割栗石の組み合わせは、機能的にも美観的にも優れています。排水性を高め、ぬかるみや雑草を防ぎつつ、景観を引き締める効果があるため、屋外スペースを快適に整備するのに理想的です。
割栗石の用途⑪:石積みの壁
石をコンクリートで固めた塀・壁も個性が出ておしゃれになります。石の色味でも印象がかなり変わります。ご自宅にカラーに合わせて統一感を出しましょう。
割栗石の用途⑫:芝生との組み合わせ
芝生と割栗石を組み合わせることで、排水性・安定性・見た目の美しさが向上し、長持ちする庭やスペースを作ることができます。
割栗石は水はけがよく、見た目も美しいので様々なところで活躍できます。強度もありコストも安いので一度、検討してみてください。