
住まいの印象を大きく左右するのが、外構デザインです。中でも、近年注目されているのが「ガビオン」を取り入れた外構スタイル。ガビオンとは、金属メッシュの中に石材や木材、ガラスなどを詰めた構造体で、もともとは土木工事に使われていたものですが、そのデザイン性と耐久性から、エクステリアデザインにおいても人気が高まっています。
本記事では、「外構 ガビオン」の魅力と活用方法、施工時の注意点などを詳しく解説していきます。
ガビオンとは?その基本と魅力
ガビオンは、ワイヤーメッシュでできたカゴに自然素材を詰めて使用する構造物です。重厚感がありながらも自然と調和する独特のデザインが特徴で、住宅の外構に取り入れることで、他にはない個性的で洗練された印象を与えることができます。
ガビオンの主な特長
- 高いデザイン性
詰める素材によって雰囲気を自由に演出できます。ナチュラルガーデンにも、インダストリアルなモダンデザインにもマッチします。 - 耐久性とメンテナンス性
金属と石材で構成されているため、腐食や風化に強く、長期的に使用しても劣化しにくい構造です。 - 多用途で施工自由度が高い
門柱やフェンス、花壇、ベンチなど、さまざまな外構アイテムとして活用できる柔軟性があります。
ガビオンを使った外構の実例
ガビオンの門柱はファザードを印象的に演出

門柱は外構の中でも訪問者の目に最初に入る重要な要素です。ガビオンの門柱を採用することで、シンプルながらも重厚感のあるエントランスが完成します。自然石やカラーガラスを詰めることで、季節や時間帯によって異なる表情を見せてくれるのも魅力です。
ガビオンフェンスで外部からの視線を遮る

ガビオンはフェンスとしても高い評価を得ています。特にプライバシーを重視したい場所では、遮蔽性の高いガビオンフェンスが効果的です。木材や植物と組み合わせて使うことで、硬さをやわらげた優しい雰囲気も演出できます。
花壇やベンチとしての利用もおすすめ

ガビオンを花壇の囲いに使えば、ナチュラルで立体感のあるガーデン空間に。さらに、上部を平らに仕上げればベンチとしても使えるため、機能性とデザイン性を兼ね備えた外構が実現できます。
ロックガーデンと相性◎

最近、人気のロックガーデンやドライガーデンは同じ石材を使うので相性が特に良いです。割栗石などがよく使われています。
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ガビオン施工時に気をつけたいポイント
素材選びで印象が決まる
ガビオンは中に詰める素材で大きく印象が変わります。例えば、黒い溶岩石を使えばシックでモダンな印象に、白やベージュの自然石を使えば明るくナチュラルな雰囲気になります。デザインコンセプトに合わせて最適な素材を選ぶことが重要です。
安定性と安全性を確保する施工技術
見た目だけでなく、安全性も重視すべきポイントです。ガビオンは見た目以上に重さがありますので、しっかりとした基礎や水平の調整、排水設計が必要です。施工は経験豊富な外構業者に依頼することをおすすめします。
法規制や設置環境の確認も必要
ガビオンの高さや位置によっては、建築基準法や景観条例に抵触する可能性があります。また、隣地との距離や視界への影響など、周囲への配慮も大切です。施工前に十分な確認と準備を行いましょう。
ガビオン外構費用を左右するポイント
1. 石材の種類と品質
天然石、リサイクル石、人工石など、石の種類によって費用に差が出ます。特に天然石は高価になりがちですが、その分高級感も演出できます。
2. メッシュやワイヤーの材質
安価なスチール製から、耐久性の高いステンレス製まで様々です。ステンレス製はサビに強く長寿命ですが、価格は高めです。
3. 基礎工事の有無
地面にしっかり固定するために基礎工事が必要な場合、その費用も加算されます。特に大きなガビオン構造の場合は、安全性の面からも基礎工事が重要です。
4. 複雑な加工やデザインの有無
照明や植栽との組み合わせ、変形デザインなど、特注施工になると費用が上がります。
ガビオンを外構に取り入れるメリット
ガビオンは外構において次のようなメリットをもたらします
- 高い耐久性とメンテナンス性
- 多彩なデザインが可能
- エクステリアに自然な重厚感を加えられる
- 他と被らない個性的な印象を演出できる
これらの特徴により、ガビオンは機能性と美しさを兼ね備えた外構アイテムとして今後さらに普及していくことが期待されています。
ガビオンのデメリット
ガビオンは多くのメリットがありますが、いくつかの注意点やデメリットもあります。
1. 施工がやや複雑
- 見た目を整えるためには、石を手作業で配置する必要がある。
- DIYは可能だが、仕上がりに差が出やすくプロに依頼した方が無難。
2. 重量があり、設置場所を選ぶ
- 非常に重いため、設置場所に応じて基礎が必要。
- 軟弱地盤などには向かないことがある。
3. 経年劣化する可能性がある
- 使用する金網(メッシュ)が鉄製の場合、年数とともにサビが出る可能性がある。
- ステンレスや溶融亜鉛メッキを使えば長寿命になるが、コストは上がる。
4. 隙間に雑草が生える場合がある
- 花壇や地面近くの構造では、隙間に種子が入り雑草が生えることも。
5. 防犯面の配慮が必要
- 高さや配置によっては死角を作る可能性があるため、住宅のセキュリティとあわせて設計することが大切。
ガビオンによく使われる石材

ガビオンに使う石材は、見た目や機能性によって選ばれます。以下は代表的なものです。
1. 砕石(クラッシャーラン)
- 最も一般的でコストが安い。
- 無骨な印象でインダストリアルなデザインに適しています。
2. 割栗石(わりぐりいし)
- ゴツゴツした大きめの天然石。
- 重量があり、安定感と存在感が特徴。
3. 那智黒石・白川砂利などの景観石
- 見た目が美しく、デザイン重視のガビオンに最適。
- 若干価格は高め。
4. リサイクル石材(瓦・タイル破片など)
- 環境に配慮したエコな選択肢。
- 個性的な表情が出せるが、バランスを取るのが難しい場合も。
まとめ|「外構 ガビオン」で理想のエクステリアを実現
ガビオンを取り入れた外構は、自然素材を活かしながらも現代的で洗練された印象を与える理想のエクステリアスタイルです。門柱やフェンス、花壇、ベンチなど、あらゆる用途で活用できる自由度の高さも大きな魅力。耐久性にも優れ、長く安心して使える点も嬉しいポイントです。
「外構 ガビオン」に興味がある方は、施工実績のある外構業者に相談し、実際の事例や素材を確認しながらプランニングを進めるのがおすすめです。あなたの理想の外構づくりの第一歩として、ぜひガビオンの可能性を検討してみてください。