オリーブの品種図鑑 大きくならない種類や実がならない品種はある?

2024年10月16日 | ブログ

オリーブ(Olea europaea)の品種は世界中で約1,600種類以上あると言われています。地中海地域を中心にスペインやイタリア・ギリシャなどが主な生産地になります。それぞれ品種の特徴とオイル・受粉で相性の良い品種もご紹介します。また大きくならない品種や実がならない品種など、条件別での一覧もございます。

品種一覧

それぞれの特徴・用途・相性・サイズ・耐性などをまとめてみました。情報は100%ではなく土地の環境・状況によって変わる場合もあります。ここでは代表的な品種をご紹介します。

アルベキーナ(Arbequina)エメラルド(Emerald)
エルグレコ(El Greco)コロネイキ(Koroneiki)
コンパクトカルフォルニア(compact-california)シプレッシーノ(Cipressino)
ネバディロブランコ(Nevadillo Blanco)パラゴン(Paragon)
バーデル(ベルダーレ)(Veldare)ピクアル(Picual)
ピッチョリーネ(Picholine)ひなかぜ(HINAKAZE)
フラントイオ(Frantoio)ペンドリーノ/ペンドリノ(Pendolino)
ホワイト(white)マンザニロ(Manzanillo)
ミッション(Mission)モライオロ(Moraiolo)
ロシオーラ(Rosciola)リトルオリーブ(little-olive)
ルッカ/レッチーノ(Leccino)ワッガベルダル(Wagga Verdale)

アルベキナ(Arbequina)

アルベキナ特徴

原産地スペイン カタルーニャ地方
木の用途果実収穫・庭木や景観用の装飾樹
樹形開張型
大きさ成木で約3~5メートル・横に2~4メートル程度
葉の色銀緑色で光沢があり、細長い形状です。
成長度比較的遅め
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ小粒(1~2g程度)
耐性乾燥耐性:水が少ない環境でも良く育つ
寒さ耐性:比較的寒冷地にも対応可能(-7~-10℃程度)
病害虫耐性:特にオリーブ炭疽病への抵抗力があります
塩害耐性:沿岸地域でも栽培可能です
希少性

アルベキナ(Arbequina)は、スペインのカタルーニャ地方が原産のオリーブ品種で、現在では世界中で広く栽培されています。アーベキーナとも呼ばれます。特に高品質なオリーブオイルの生産に適しており、耐寒性や耐病性が比較的高いことで知られています。小型でコンパクトな樹形を持ち、収穫がしやすい品種です。乾燥耐性も高く、特にドライファーミング(乾燥地での農業)に適しています。

アルベキナ相性の良い品種

アルベキナは、自家受粉性のある品種で、単独でも果実をつけることが可能です。しかし、他のオリーブ品種と一緒に栽培すると、さらに受粉が促進され、収穫量が増える傾向があります。

自家結実性
オイルの味フルーティーで軽やかな香りで甘みが強く、苦味と辛味は控えめ
バターのような滑らかな口当たりフレッシュなアーモンドやリンゴのような後味
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):苦味や辛味を加えて、より深みのある風味に。
ホジブランカ(Hojiblanca):フルーティーな風味を強調。
コルニカブラ(Cornicabra):苦味とコクを加える役割を果たします。
受粉で相性の良い品種ピクアル(Picual)
コロネイキ(Koroneiki)
マンザニロ(Manzanillo)

エメラルド(Emerald)

エメラルドの特徴

原産地日本
木の用途庭木・観賞用・果実収穫
樹形円錐形
大きさコンパクト
葉の色鮮やかな緑色
成長度中速
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ小型~中粒(約2~3g程度)
耐性乾燥耐性:高い耐性を持ち、雨が少ない地域でも育つ
寒さ耐性:比較的耐寒性があり、-5℃程度まで耐える
病害虫耐性:炭疽病などへの耐性は中程度
塩害耐性:塩分に強く、沿岸地域でも育てやすい
希少性有◎ 市場に出回っていないレア

オリーブ「エメラルド(Emerald)」は、美しい樹形とコンパクトさから特に観賞用として人気の高い品種で、鉢植えや庭木として育てやすい品種です。埼玉県「貴宝園」がオリーブ・ひなかぜの選抜品種としてつくりあげたオリーブになります。とても希少な品種になるので詳細情報が少ないです。

エメラルド相性の良い品種

果実が成る場合は塩漬けやテーブルオリーブとして楽しむことができますが、収量は少ないため、観賞を主目的とした栽培が推奨されます。

自家結実性不明
オイルの味フルーティーで豊かな香りを持つ。
甘みとほのかな苦味、辛味のバランスが良い。
柔らかなテクスチャーと新鮮な後味が特徴。
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual): 苦味とスパイシーさを加える。
コロネイキ(Koroneiki): フルーティーさをさらに高める。
アルベキーナ(Arbequina): マイルドで甘みのあるブレンド。
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
マンザニロ(Manzanillo)
フラントイオ(Frantoio)

エルグレコ(El Greco)

エルグレコ特徴

原産地ギリシャ             
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中粒(3~5g程度)          
樹形半開張型

「エルグレコ」はギリシャ原産のオリーブの木として知られています。「エルグレコ」という名前は、ギリシャ出身の有名な画家であるエル・グレコに由来しているとされています。この品種は、比較的小型でありながら耐寒性があり、家庭の庭や鉢植えで栽培されることが多いです。また、エルグレコはオリーブオイルの生産に向いている品種で、果実は小ぶりですが、風味豊かなオイルが得られます。ガーデニングやオリーブの栽培に興味がある場合、この品種は手入れしやすく、日本の気候にも比較的適しているとされています。

エルグレコ相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina):まろやかさと甘味を加える。
ピクアル(Picual)
:苦味と辛味を加えて風味を強化。
ホジブランカ(Hojiblanca)
:フルーティーさと軽やかさをプラス。
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
マンザニロ(Manzanillo)
フラントイオ(Frantoio)

コロネイキ(Koroneiki)

コロネイキの特徴

原産地ギリシャ
果実の用途オイル
果実のサイズ小粒(0.5~1g程度)   
樹形半直立型

コロネイキ(Koroneiki)は、ギリシャ原産のオリーブ品種で、特に高品質なオリーブオイルを生産することで知られています。古くからギリシャで栽培されており、現在では世界中のオリーブオイル生産者に人気のある品種です。乾燥や高温の環境に非常に強く、過酷な条件でも栽培が可能です。栽培において非常に丈夫であり、病気や害虫に対する耐性も高いです。木の成長が早く、収量も安定しているため、商業生産にも適しています。

コロネイキ相性の良い品種

コロネイキは自家受粉性があるため、他品種が必須というわけではありませんが、異なる品種を一緒に栽培することで、さらに収量や品質を向上させることができます。オイルはフルーティーで軽やかなため、以下の品種とブレンドすると異なる風味を楽しめます

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):苦味とコクを加える。
アルベキーナ(Arbequina)
:まろやかな甘味を補完する。
フラントイオ(Frantoio)
:フルーティーさを強調する。
受粉で相性の良い品種マンザニロ(Manzanillo)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
アルベキーナ(Arbequina)

コンパクトカルフォルニア(Compactcalifornia)

コンパクトカルフォルニア特徴

原産地アメリカ カリフォルニア州   
果実の用途テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中型
樹形コンパクト

「コンパクトカリフォルニア」は、カリフォルニアで開発された比較的小型で、横に広がる樹形を持つ品種です。成長した場合でも、通常の高さは約1.8メートルから2.4メートル程度に収まります。都市部や家庭菜園など限られたスペースでも栽培しやすいことから人気があります。またカリフォルニアの気候に適しているため、乾燥に強く、水はけの良い土壌で育てやすいのが特徴です。また、耐暑性にも優れています。

コンパクトカルフォルニア相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina):甘さと軽やかな風味をプラス。
ルッカ/(Leccino)レッチーノ:軽いフルーティーさを追加。
ピクアル(Picual):深みのある風味を加える。
受粉で相性の良い品種ミッション(Mission)
マンザニロ(Manzanillo)
アルベキーナ(Arbequina)

シプレッシーノ(Cipressino)

シプレッシーノの特徴

原産地イタリア
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中粒(2~4g)   
樹形直立型

オリーブ「シプレッシーノ(Cipressino)」は、イタリアで生まれた品種で、その独特の直立した樹形から、主に防風林や観賞用として植えられることが多いですが、適切な受粉木を選ぶことで、結実率を向上させることができます。庭木や景観用として育てながら、オイルや塩漬けオリーブを楽しむことも可能です。

シプレッシーノ相性の良い品種

シプレッシーノは 自家結実性が低い 品種です。オイルはフルーティーでバランスが良いため、以下の品種とブレンドすることで多様な風味を楽しめます

自家結実性
オイルで相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina):甘味と軽やかさをプラス。
ピクアル(Picual):苦味と辛味を加える。
フラントイオ(Frantoio):フルーティーな風味を強調する。
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
マンザニロ(Manzanillo)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
フラントイオ(Frantoio)

ネバディロブランコ(Nevadillo Blanco)

ネバディロブランコ特徴

原産地スペイン
果実の用途オイル              
果実のサイズ小粒~中粒(2~3g程度)
樹形直立型

「ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)」は、スペイン原産のオリーブ品種で、ピクアル(Picual)の亜種とされることもあります。特にオリーブオイルの生産に利用されることが多い品種です。木の成長は比較的早く、風にも強いです。樹形は立ち上がるように伸びるため、スペースを取らずに育てやすい品種です。耐寒性は比較的高く、日本の温暖な地域での栽培も可能です。ただし、寒冷地では保護が必要になることもあります。比較的病害虫に強い品種であり特に病害が発生しやすい地域でも比較的育てやすいと言われています。

ネバディロブランコ相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):苦味と辛味を補完。
アルベキーナ(Arbequina):まろやかさを加える。
ホジブランカ(Hojiblanca):フルーティーさを強調。
受粉で相性の良い品種ピクアル(Picual)
マンザニロ(Manzanillo)
アルベキーナ(Arbequina)

パラゴン(Paragon)

パラゴン特徴

原産地オーストラリア
果実の用途オイル
果実のサイズ中粒(約2~3g)
樹形直立型または半直立型の樹形

パラゴン(Paragon)オリーブは、オーストラリアで開発されたオリーブ品種で、主に高品質なオリーブオイルの生産を目的として栽培されています。耐寒性があり、結実性が高く強健で、芳香のある品種です。丈夫で育てやすく、大きく育てれば丸い実も楽しめます。樹高が約2~3m程度という事と美しい樹姿に育つのでシンボルツリーとしても人気があります。希少品種でもあります。

パラゴン相性の良い品種

パラゴンは自家不和合性の傾向があるため、他のオリーブ品種と一緒に栽培することが推奨されます。オイルは力強く風味豊かで、以下の品種とブレンドすることでバランスを取ることができます

自家結実性
オイルで相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina):まろやかさと軽やかさを加える。
フラントイオ(Frantoio):フルーティーさを補強。
ピクアル(Picual):深みとコクをプラス。
受粉で相性の良い品種フラントイオ(Frantoio)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
ピクアル(Picual)
マンザニロ(Manzanillo)

バーデル(ベルダーレ)(Veldare)

バーデル(ベルダーレ)特徴

原産地フランス南部
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中粒~大粒(4~6g程度)
樹形コンパクト

「バーデル(ベルダーレ)」(Veldare)は、高品質のオリーブオイルを生産するために栽培されており、主にイタリアで栽培されています。フランス語で「緑色(Vert)」の意味することからその果実の色に由来するとされています。果実は中粒~大粒で、油分が多く、オリーブオイルとして搾った際にフルーティーでピリッとした辛味や苦味が感じられることが挙げられます。耐寒性や順応性が高い品種で、栽培環境が比較的広範囲に及びます。そのため、フランス以外の地中海諸国や新世界のオリーブ栽培地域でも人気があります。

バーデル(ベルダーレ)相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):深みとコクを加える。
アルベキーナ(Arbequina)
:まろやかさをプラス。
コルニカブラ(Cornicabra):苦味と辛味を強化。
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
マンザニロ(Manzanillo)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ

ピクアル(Picual)

ピクアル特徴

原産地スペイン         
果実の用途オイル
果実のサイズ中粒(3~5g程度)          
樹形開張型

ピクアル(Picual)はスペイン原産のオリーブ品種で、世界中で最も栽培されている品種の一つです。特に、スペインのアンダルシア地方で広く栽培されており、ピクアルから生産されるオリーブオイルは、品質が高く、スペイン産オリーブオイルの大部分を占めています。ピクアルの果実は中型から大きめで、尖った形をしているのが特徴です。この尖った形から「ピクアル」という名前が付けられています(スペイン語で「尖っている」を意味する「pico」から)。実は油分が豊富で、オイル抽出量が非常に高いことから、商業生産にも適しています。また自家受粉が可能なところも人気の理由です。

ピクアル相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina):まろやかで甘味のある風味を加える。
ホジブランカ(Hojiblanca):フルーティーで軽やかな風味をプラス。
ルッカ/(Leccino)レッチーノ:軽くフルーティーなオイルで調和を取る。
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
マンザニロ(Manzanillo)
ホジブランカ(Hojiblanca)

ピッチョリーネ(Picholine)

ピッチョリーネ特徴

原産地フランス
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)   
果実のサイズ中粒(3~5g)
樹形半開張型

ピッチョリーネ(Picholine)は、フランス原産のオリーブ品種で、特にその風味豊かな果実と高品質なオリーブオイルの生産で知られています。乾燥に強く、病気に対する耐性も比較的高いとされています。中程度の生育速度で、ややコンパクトな樹形、温暖な気候を好み、日照が豊富な地域での栽培に適しています。

ピッチョリーネ相性の良い品種

ピッチョリーネは 自家結実性が低い 品種です。異品種の受粉木を併植することで、結実率を大幅に向上させることができます。オイルは軽やかでフルーティーなため、以下の品種とブレンドすると相性が良いです

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):コクと辛味を加える。
アルベキーナ(Arbequina):甘味と柔らかい風味を補強。
フラントイオ(Frantoio):フルーティーさを強調する。
受粉で相性の良い品種ルッカ/(Leccino)レッチーノ
フラントイオ(Frantoio)
マンザニロ(Manzanillo)
コルニカブラ(Cornicabra)

ひなかぜ(HINAKAZE)

ひなかぜの特徴

原産地日本 中国
果実の用途テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ小型~中粒(約2~3g程度)   
樹形直立型

「ひなかぜ(HINAKAZE)」は日本の気候に適した新しいオリーブの品種です。特に成長が早く、1年半ほどで約1.5メートルまで育つのが特徴で、シンボルツリーとして庭やベランダに人気があります。耐寒性や耐暑性に優れており、初心者にも育てやすいと言われています。剪定が不要で樹形が自然に整うため、ガーデニングにも適しています。「ひなかぜ」は他の品種と一緒に育てることで受粉が促進され、4〜5年目以降に実をつけるようになります​。

ひなかぜ相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種ミッション(Mission):バランスの良い風味を追加。
ルッカ/(Leccino)レッチーノ:軽やかでフルーティーさを加える。
受粉で相性の良い品種ミッション(Mission)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)

フラントイオ(Frantoio)

フラントイオ特徴

原産地イタリア
果実の用途オイル
果実のサイズ小粒(2~3g程度)            
樹形開張型

名前の「フラントイオ」はイタリア語で「オイル搾油所」を意味し、オリーブオイル生産に適した品種であることを示しています。オリーブの木は、通常 中〜大サイズの木 に成長します。平均的には高さが 3〜6メートル ほどになりますが、適切な条件下ではそれ以上に成長することもあります。フラントイオの木は、広がりのある枝と濃い緑色の葉が特徴で、比較的長寿命です。また、他のオリーブ品種と同様に、乾燥や貧弱な土壌にも耐性がありますが、適切な日当たりや水はけの良い土壌でより良く育ちます。

フラントイオ相性の良い品種

フラントイオ(Frantoio)は自家結実性がありますが、異なる品種を一緒に栽培することで、さらに収量や品質を向上させることができます。フラントイオのオイルは力強い風味をがあります。

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):苦味と辛味を加えて味にアクセントを。
アルベキーナ(Arbequina):甘味と柔らかな風味を補強。
モライオロ(Moraiolo):ハーブのような香りをさらに引き立てる。
受粉で相性の良い品種モライオロ(Moraiolo)
マンザニロ(Manzanillo)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
コラティーナ(Coratina)

ペンドリーノ(ペンドリノ)(Pendolino)

ペンドリーノ(ペンドリノ)の特徴

原産地イタリア
果実の用途オイル
果実のサイズ小粒(2~3g程度)        
樹形下垂型

「ペンドリーノ」という名前は「垂れる」という意味のイタリア語から由来しています。この品種は、特に他のオリーブの品種を受粉する「授粉樹」として非常に優れていることで知られています。ペンドリーノ自体も実をつけますが、特にその優れた授粉能力が評価されています。ペンドリーノの実は比較的小さく、オリーブオイルを作るのに使用されます。得られるオイルは、フルーティーで少し辛味があり、まろやかな味わいです。

ペンドリーノ(ペンドリノ)と相性の良い品種

自家結実性
オイルで相性の良い品種フラントイオ(Frantoio):深みとコクを加える。
モライオロ(Moraiolo):苦味と辛味のアクセントをプラス。
ルッカ/(Leccino)レッチーノ:軽やかでフルーティーな風味を補完。
受粉で相性の良い品種フラントイオ(Frantoio)
モライオロ(Moraiolo)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
コラティーナ(Coratina)

ホワイト(white)

ホワイトの特徴

原産地イタリア
果実の用途テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ小粒(約1~2g)   
樹形コンパクト
葉の色シルバー

「ホワイト(White)」は、白っぽい銀葉が特徴の希少品種です。果実や樹形が独特の特、庭木や鉢植えでの観賞用に最適です。結実は少ないか見込めないため、果実やオイル生産よりも装飾的価値を楽しむ品種として人気があります。

ホワイト相性の良い品種

ホワイトは 自家結実性が低い または結実しない品種として知られています。他品種を近くに植えても、観賞用であるため結実が目指されることは少ないです。

自家結実性
オイルで相性の良い品種
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
ミッション(Mission)
マンザニロ(Manzanillo)
フラントイオ(Frantoio)

マンザニロ(Manzanillo)

マンザニロの特徴

原産地スペイン  
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中粒~大粒(約5~7g)
樹形開張型

「マンザニロ(Manzanillo)」は、スペインを代表するオリーブ品種の一つで、横広がりの樹形が特徴です。スペイン語で「小さなりんご」を意味し、リンゴのような形をした実を付けます。また、オリーブオイルの生産にも利用される多用途の品種です。マンザニロは強健で、成長が早く、適応力が高い品種です。特に温暖な気候を好み、乾燥にも比較的強いですが、湿度が高い環境では、うどんこ病やオリーブアナアキゾウムシなどには注意を払う必要があります。寒冷地では少し保護が必要になることがあります。

マンザニロと相性の良い品種

マンザニロは 自家結実性が低い 品種です。異品種の受粉木を併植することで、結実率と収穫量が大幅に向上します。オイルはフルーティーでまろやかなため、以下の品種とブレンドすると風味が豊かになります

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):苦味と辛味を加えて味にアクセントを。
アルベキーナ(Arbequina)
:甘味と柔らかさを補完する。
ホジブランカ(Hojiblanca)
:フルーティーさと深みをプラス。
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
フラントイオ(Frantoio)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
ピクアル(Picual)

ミッション(Mission)

ミッション特徴

原産地アメリカ カリフォルニア
用途庭木や観賞用
樹形直立型
大きさ7~8m
成長速度早い
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中粒(3~5g程度)
葉の色葉の裏シルバー
耐性 寒さ耐性: 高い -8℃程度の低温にも耐える。寒冷地でも栽培可能です。
乾燥耐性: 優れており、水が少ない環境でも健全に育ちます。
病害虫耐性: オリーブ炭疽病などに対して弱い。
塩害耐性: 沿岸地域でも育成可能
希少性

ミッション(Mission)は、アメリカ原産のオリーブ品種で、特にカリフォルニアで広く栽培されています。この品種は、18世紀にスペインの宣教師たちによってアメリカに持ち込まれたことから、その名前がつけられました。ミッションオリーブは食用としてもオリーブオイルの生産にも向いており、多用途に使用できる品種です。また成長が早い品種でもあります。特に乾燥した気候を好み、耐寒性や耐乾性に優れています。これにより、さまざまな環境で栽培が可能で、家庭菜園でも育てやすいです。逆に高湿度の環境では病気のリスクがあるため、適切な管理が必要です。炭疽病に弱いとされています。

ミッション相性の良い品種

自家結実性
オイルの味軽やかでバランスの取れた風味が特徴。苦味と辛味が控えめで、マイルドな味わい。
フルーティーで、ほのかな甘みとハーブの香りがあります。
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):深みとコクを加える。
アルベキーナ(Arbequina):軽やかさと甘味をプラス。
フラントイオ(Frantoio: フルーティーさを引き立てる。
受粉で相性の良い品種フラントイオ(Frantoio)
アルベキーナ(Arbequina)

モライオロ(Moraiolo)

モライオロ特徴

原産地イタリア
果実の用途オイル
果実のサイズ小粒(約1~2g)         
樹形直立型

「モライオロ(Moraiolo)」は、イタリアのトスカーナ地方を中心に広く栽培されている高品質なオリーブ品種で、モライオロのオイルは、その強い風味とバランスの良さから、高級オリーブオイルの原料として高く評価されています。

モライオロ相性の良い品種

モライオロのオイルはスパイシーで力強い風味が特徴です。以下の品種とブレンドするとバランスが良くなります

自家結実性
オイルで相性の良い品種フラントイオ(Frantoio):フルーティーでハーブのような風味を補強。
アルベキーナ(Arbequina):甘味を加えてまろやかに。
ピクアル(Picual):コクと深みを補う。
受粉で相性の良い品種フラントイオ(Frantoio)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
マンザニロ(Manzanillo)
コラティーナ(Coratina)

ロシオーラ(Rosciola)

ロシオーラ特徴

原産地イタリア
果実の用途オイル
果実のサイズ中粒(約2~4g)        
樹形半開張型

「ロシオーラ(Rosciola)」は、イタリア中部(特にアブルッツォ州)で栽培されるオリーブの古代品種。近年では再評価され、栽培面積が拡大しています。寒冷な気候に強い品種で、乾燥や厳しい条件にも耐性があります。エキストラバージンオリーブオイルとして評価が高く、酸度が低いことが特徴です。フレッシュで、バランスの取れたフルーティーな風味が感じられ、サラダや魚料理に合うと言われています。

ロシオーラ相性の良い品種

ロシオーラ(Rosciola)オリーブは、自家受粉が難しい品種であるため、他のオリーブ品種と一緒に植えることで良好な結実を得ることができます。オイルは軽やかでフルーティーなため、以下の品種とブレンドすると風味のバリエーションが広がります

自家結実性
オイルで相性の良い品種ピクアル(Picual):コクと深みを加える。
アルベキーナ(Arbequina):甘さと軽いフルーティーさを補強。
フラントイオ(Frantoio):スパイシーさをプラスし、香りを引き立てる。
受粉で相性の良い品種フラントイオ(Frantoio)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
マンザニロ(Manzanillo)
モライオロ(Moraiolo)

リトルオリーブ(Little-olive)

リトルオリーブの特徴

原産地不明  
果実の用途テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ小粒(約1~2g程度)
樹形コンパクト

「リトルオリーブ」は、庭や小さなスペース、鉢植えなどで育てられるオリーブで、成木でも約1.5メートルから2メートルぐらいにしか育たないため、観賞用として人気が高いです。この種のオリーブは、スペースに制約がある場合でも育てやすく、メンテナンスも比較的容易です。

リトルオリーブ相性の良い品種

「リトルオリーブ」は 自家結実性が低い 品種です。他品種の受粉木を近くに植えることで、結実する可能性が高まります。

自家結実性
オイルで相性の良い品種
受粉で相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)
ミッション(Mission)
マンザニロ(Manzanillo)

ルッカ/レッチーノ(Leccino)

ルッカ(レッチーノ)の特徴

原産地イタリア トスカーナ地方
用途庭木・景観樹
樹形開張型
サイズ成木で約3~6メートルと大きめの品種
成長速度早い・強健
果実の用途オイル/テーブルオリーブ(食用)
果実のサイズ中粒(約2~4g)      
葉の色シルバー
耐性寒さ耐性:高い耐寒性を持ち、-8℃程度まで耐える。
乾燥耐性:強く、雨の少ない地域でも順調に育ちます。
病害虫耐性:オリーブ炭疽病や害虫に対して比較的強い耐性があります。
塩害耐性:沿岸地域でも問題なく育ちます。
希少性

「ルッカ(Leccino)」は、イタリアのトスカーナ地方原産のオリーブ品種で、特にオリーブオイルの生産において重要な役割を果たしています。レッチーノとも呼ばれます。ルッカは、強健で成長が早い木であり、風や寒さにも比較的強い特徴を持っています。成長すると3〜6メートル程度の高さに達します。適切に管理された木であれば、剪定によってサイズを制御し、収穫しやすい高さに維持することが可能です。また横に広がる性質があり、樹冠(枝や葉の広がり)は3〜5メートル程度に成長します。風通しを良くするために、適度に枝を剪定することが推奨されます。

ルッカ(レッチーノ)と相性の良い品種

自家結実性
オイルの味フルーティーで穏やかな風味。軽い苦味と辛味がバランス良く、
後味に甘みが感じられます。ハーブやアーモンド、緑茶のような香りを持つ。
オイルで相性の良い品種フラントイオ(Frantoio):コクとスパイシーさを追加。
モライオロ(Moraiolo):苦味と香りを補強。
ペンドリーノ(Pendolino:マイルドな風味を追加。
受粉で相性の良い品種フラントイオ(Frantoio)
モライオロ(Moraiolo)
ペンドリーノ(Pendolino)

ワッガベルダル(Wagga Verdale)

ワッガベルダル特徴

原産地フランス
果実の用途テーブルオリーブ(食用)/オイル
果実のサイズ中粒(約3~5g)  
樹形半直立型

ワッガベルダル(Wagga Verdale) は、フランス原産のオリーブの品種です。この品種は、主にオリーブオイルの生産や食用のオリーブとして栽培されてます。耐寒性に優れ、氷点下でも比較的強く、寒冷な地域でも育成が可能です。病害虫にも強く、農薬をあまり使わずに栽培できるため、環境にもやさしい品種として注目されています

ワッガベルダル相性の良い品種

ワッガベルダルは、自家不和合性があるため、他の品種との受粉が必要です。

自家結実性
オイルで相性の良い品種アルベキーナ(Arbequina)甘味と軽やかさを補強。
フラントイオ(Frantoio)
フルーティーさと深みを加える。
ピクアル(Picual)
辛味とコクをプラス。
受粉で相性の良い品種マンザニロ(Manzanillo)
フラントイオ(Frantoio)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
ピクアル(Picual)

大きくならない品種

オリーブは通常5m~15mぐらいに成長します。その中でも比較的、大きくなりにくい品種をご紹介します。コンパクトなので観賞用として栽培されます。小さい分、実はなりにくいのも特徴です。

コンパクトカルフォルニア(compact-california)約1.8メートルから2.4メートル
リトルオリーブ(little-olive)約1.5メートルから2メートル
ホワイト(white)約1.5~2.5メートル

オリーブで実がならない品種は?

基本的にオリーブは自家不結実性という種類が多く、単一品種では実がなりにくいです。勿論、自家受粉が出来るものもありますが、違う品種同士を植える事でさらに収穫を増やせるようになります。逆を言うと実を付けたくない場合、自家不結実性のオリーブを単体で植えるということです。

自家受粉(自家結実)ができる品種

自家受粉が難しい品種ですが中には1本でも実がなるものあります。ですが基本的には異種の2本を植えると、より実がなりやすくなります。

アルベキーナ(Arbequina)
ルッカ/レッチーノ(Leccino)
ピクアル(Picual)
ミッション(Mission)
セントキャサリン

樹形が横に広がる品種(開張型)

樹形が横に広がるオリーブの木の品種は収穫・管理のしやすさ、日当たり・風通しなどのメリットがあります。ではどんな品種があるのでしょうか。

フラントイオ(Frantoio)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ
マンザニロ(Manzanillo
ピクアル(Picual)

樹形が直立型の品種

開張型とは反対に上にまっすぐ伸びる品種もあります。

シプレッシーノ(Cipressino)
ネバディロブランコ(Nevadillo Blanco)
ひなかぜ(HINAKAZE)
ミッション(Mission)
モライオロ(Moraiolo)
ロシオーラ(Rosciola)

葉がシルバーリーフの品種

「シルバーリーフのオリーブ」は、銀白色がかった葉 を特徴とする品種を指します。一般的には観賞用として栽培されますが、一部の品種では果実も楽しめます。これは特定の品種名ではなく、葉の色や質感に注目した呼び名です。

アルベキーナ(Arbequina)
ピッチョリーネ(Picholine)
ルッカ/レッチーノ(Leccino)
ミッション(Mission)
オレア・エウロペア ‘シルバークイーン’(Olea europaea ‘Silver Queen’)
オレア・エウロペア ‘シルバースワン’(Olea europaea ‘Silver Swan’)

イタリア原産のオリーブ

イタリアのオリーブ品種は、それぞれの地方の気候や風土に適応しており、オリーブオイルやテーブルオリーブとして高い品質を誇ります。トスカーナ地方のフラントイオやレッチーノ、シチリア島のノチェラーラ・デル・ベリーチェなど、用途や味わいに応じて多様な選択肢があります。

ペンドリーノ/ペンドリノ(Pendolino)
モライオロ(Moraiolo)
ロシオーラ(Rosciola)
ホワイト(white)
シプレッシーノ(Cipressino)
ルッカ/レッチーノ(Leccino)
フラントイオ(Frantoio)

スペイン原産のオリーブ

スペイン産のオリーブは、地中海性気候と肥沃な土壌は、オリーブの栽培に最適。日本でも輸入品として手に入れることができます。テーブルオリーブとして前菜に使ったり、高品質のオリーブオイルをサラダや料理に活用すると、風味が一層引き立ちます。

ピクアル(Picual)
ネバディロブランコ(Nevadillo Blanco)
アルベキナ(Arbequina)
マンザニロ(Manzanillo)

ギリシャ原産のオリーブ

ギリシャ産のオリーブは、長い歴史と高い品質で知られています。ギリシャはオリーブの栽培とオリーブオイルの生産において、スペインやイタリアに次ぐ世界有数の生産国であり、その独特の風味と品質は世界中で高い評価を受けています。

エルグレコ(El Greco)
コロネイキ(Koroneiki)

日本原産のオリーブ

日本産のオリーブは、主に香川県小豆島を中心に栽培されています。日本のオリーブ栽培は明治時代に始まり、小豆島の気候や土壌が地中海性気候に似ていることから、栽培に適しているとされています。

ひなかぜ(HINAKAZE)
エメラルド(Emerald)

アメリカ原産のオリーブ

アメリカ産のオリーブは約95%はカリフォルニア州が占めています。カリフォルニアは気候や土壌が地中海性気候に似ているため、オリーブの栽培に適しており、アメリカにおけるオリーブ産業の中心地となっています。

ミッション(Mission)
コンパクトカルフォルニア(compact-california)

希少・珍しい品種

新種で市場に出回っていないものや、生産が少なく手に入れにくい品種もあります。

エメラルド(Emerald)
ホワイト(White)
ワッガベルダル(Wagga Verdale)
パラゴン(Paragon)

葉がハートの品種

ハート型の葉 を持つオリーブの品種として、具体的に「ハート型の葉」と明記された公式な品種は存在しません。ただし、オリーブの中には葉の形や特徴が通常よりも丸みを帯びたり、ハートのように見える形状になる場合があります。日本ではハート型のオリーブの葉っぱに出会うと、幸運が訪れると言われています。

ルッカ/(Leccino)レッチーノ
マンザニロ(Manzanillo)
ネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)

成長が早い品種

オリーブの成長速度は品種によって異なり、早く成長して樹高が伸びやすい品種は、庭木や防風林として利用されることが多いです。

シプレッシーノ(Cipressino)
ひなかぜ(HINAKAZE)
ペンドリーノ/ペンドリノ(Pendolino)
ミッション(Mission)
ルッカ/(Leccino)レッチーノ

オリーブを植える際には用途をしっかり決めて条件に合ったオリーブを選びましょう。なかには品種の表記がないオリーブもあります。購入する際には品種が記載している物を選びことをお勧めいたします。この他にも色んな種類がありますので専門家にご相談ください。

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