
オリーブは地中海の雰囲気を感じさせる人気の庭木。常緑樹で年間を通して美しい葉を楽しめる一方、剪定を誤ると形が崩れたり、花や実が付きにくくなることもあります。この記事では、オリーブ剪定の仕方、オリーブ剪定時期・オリーブ剪定挿し木など、初心者でも失敗しない剪定方法を詳しく解説します。
オリーブ剪定とは?目的と基本を知ろう

オリーブ剪定とは、木の形を整え、風通しや日当たりを良くするために枝を切る作業のことです。オリーブは成長が早く放っておくと枝葉が混み合い、病害虫が発生しやすくなります。また、オリーブの花や実をつけるためには「光」と「風」の通り道を確保する剪定が不可欠です。オリーブ剪定の基本目的は次の3つです。
樹形を整える

見た目を美しく保つだけでなく、庭全体のデザインを引き締めます。
実をつけやすくする

枝が混み合うと花芽が減り、実付きが悪くなります。適度な間引きが重要です。
木を健康に保つ

古い枝や傷んだ枝を取り除くことで、病害虫予防になります。
オリーブ剪定の時期|ベストな季節と注意点
オリーブ剪定の時期は「春(4月〜5月)」と「秋(10月頃)」が基本です。ただし、季節によって目的と切り方が異なります。真冬(1月〜2月)や真夏(7月〜8月)はオリーブ剪定を避けましょう。寒さや乾燥で木が弱り、剪定後に枝枯れすることがあります。
4月〜5月

冬の寒さが落ち着き、新芽が動き出す時期。 この時期の剪定は「整枝剪定」と呼ばれ、形を整えたり、不要な枝を切るのに最適です。
秋(10月頃)

夏の成長が落ち着いた後に軽く剪定して、樹形を整えます。ただし寒冷地では秋剪定を避け、春に行う方が安全です。
オリーブ剪定の仕方|基本の3ステップ
① 枝を観察して不要な部分を見極める
オリーブ剪定の仕方の第一歩は、全体をよく観察することです。枯れ枝・内向き枝・交差枝などを確認しましょう。これらを残すと風通しが悪くなり、害虫の温床になります。
枯れ枝

茶色く乾いた枝。
内向き枝

樹の中心に向かって伸びる枝。
交差枝

他の枝とぶつかっている枝。
② 二股の枝を整える

オリーブは二股に分かれた枝が多く、そのままにすると樹形が乱れます。どちらか一方を残し、もう一方を根元から切るのが基本です。将来的に残したい方向の枝を優先しましょう。
③ 形を整える

剪定の最終段階では、全体のバランスを見ながら形を整えます。オリーブは「自然樹形」が美しいため、球状や逆三角形を意識して軽く切る程度でOK。切りすぎると失敗につながります。
オリーブ剪定方法の種類|整枝・間引き・刈り込み
整枝剪定(せいしせんてい)

全体の形を整える剪定。4月や5月の新芽が伸びる前に行うと効果的。
間引き剪定

枝を根元から切り、風通しを良くする方法。 特に梅雨前に行うと病害虫予防になります。
刈り込み剪定

樹形をコンパクトに保ちたい場合におすすめ。ただし、強すぎる刈り込みは木を弱らせる原因となるため注意が必要です。
オリーブ剪定した枝の活用法|挿し木で再利用

オリーブ剪定した枝は捨てずに「挿し木」として再利用できます。オリーブの挿し木は初心者でも成功しやすく、増やしたい方に人気です。1〜2か月ほどで発根し、春または秋に鉢上げできます。
挿し木の手順
- オリーブ剪定した枝の中から、長さ10〜15cm程度の若い枝を選ぶ
- 下の葉を2〜3枚取り除き、清潔なハサミで斜めにカット
- 赤玉土やバーミキュライトなどの挿し木用土に挿す
- 半日陰で管理し、乾かさないように水やりを続ける
オリーブ剪定の失敗例とその原因
切りすぎて枯れてしまう

枝を大量に切ると、光合成できず弱ります。剪定は全体の2〜3割を目安に。
剪定時期を間違える

冬の寒い時期や真夏の高温期は避けましょう。
枝の切り口処理をしない

切り口から病気が入ることがあります。癒合剤を塗ると安心です。
二股枝を放置する

幹の分かれ目から割れて倒れる原因になることがあります。
オリーブ剪定の形を整えるコツ|おしゃれに見せるポイント
オリーブは自然体の樹形が魅力ですが、少し意識するだけでおしゃれに仕上がります。

幹を一本立ちにして高さを出すスタンダード仕立て

複数の幹を残して立体感を出す株立ち仕立て

枝先を丸く整えると柔らかくナチュラルな印象に
まとめ|オリーブ剪定は時期とバランスがすべて
オリーブ剪定のポイントをまとめます。オリーブは正しく剪定すれば、美しい姿を何十年も保てる樹木です。
この記事を参考に、あなたの庭でも健康でおしゃれなオリーブを育ててください。
- オリーブの剪定時期は4月〜5月がベスト
- 剪定の仕方は「不要枝を除く」「形を整える」ことが基本
- オリーブ剪定した枝は挿し木で再利用できる
- 切りすぎや時期間違いは失敗の原因になる