
手入れが簡単で、見た目も美しい人工芝は、近年、個人宅や施設の庭・ベランダ・スポーツ施設などで多く使用されるようになりました。しかし、施工の際に重要なポイントのひとつに「充填材」があります。その中でも特に多く用いられているのが人工芝の珪砂です。この記事では、「人工芝の珪砂とは何か?」「人工芝の珪砂は何号を使うべきか?」「人工芝の珪砂の量はどれくらい必要なのか?」といった疑問を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
人工芝の珪砂とは?主な役割
人工芝の施工時に使われる珪砂(けいさ)とは、石英(クォーツ)からなる天然の砂のことで、硬度が高く、耐久性にも優れているのが特徴です。人工芝の上からまくことで、以下のような効果を発揮します。
芝の浮き上がり防止

人工芝は使用しているうちに浮いてしまうことがあります。人工芝の珪砂を適切に充填することで、芝をしっかりと地面に密着させ、安定させることができます。
芝の倒れ防止

芝葉が倒れてしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、クッション性も低下します。珪砂の重みで芝が立ち上がりやすくなり、美観も保たれます。
排水性の向上

珪砂には水はけを良くする効果があり、雨が降っても水たまりになりにくくなります。人工芝の下に溜まった水を素早く排出する役目を果たします。
耐久性の向上

珪砂を使用することで摩耗が抑えられ、芝の寿命を延ばす効果も期待できます。
人工芝の珪砂は何号を選べばいいの?

「人工芝の珪砂は何号を使えばいいのか?」というのは、多くの方が疑問に思うポイントです。珪砂の「号数」とは、粒の大きさを表す単位で、号数が小さいほど粒が大きく、号数が大きいほど粒が細かくなります。
一般的に推奨される号数
人工芝の施工においては、4号〜6号の珪砂がよく使用されます。
- 4号(粒径約0.84〜2mm)
比較的大きめの粒で、芝が密集している場所や排水性を重視する場所に向いています。 - 5号(粒径約0.6〜1.7mm)
多くの現場で使われている標準的なサイズ。粒も安定していて扱いやすく、家庭用の人工芝にも広く使用されています。 - 6号(粒径約0.5〜1.4mm)
細かい粒で芝の隙間に入りやすく、滑らかな表面を作るのに向いています。ただし、風などで飛びやすいというデメリットも。
人工芝の用途(庭、ベランダ、ドッグラン、スポーツ施設など)によって最適な号数は異なります。たとえば、強度を求めるドッグランなどでは4号、柔らかさや見た目の美しさを重視する庭などでは5〜6号がおすすめです。
人工芝の珪砂の量はどれくらい必要?
次に気になるのが人工芝の珪砂の量はどれくらい使うべきかという点です。珪砂の充填量は、人工芝の種類や用途によって変わりますが、目安は以下の通りです。
一般的な充填量の目安
人工芝の用途 | 使用量の目安(kg/㎡) |
---|---|
庭・ベランダ | 約2〜10kg/㎡ |
ドッグラン | 約10〜15kg/㎡ |
スポーツ施設 | 約15〜25kg/㎡ |
たとえば、家庭の庭に10㎡の人工芝を敷く場合、約20〜100kg程度の珪砂が必要となります。量が少なすぎると芝が浮いたり、効果を発揮できなくなりますので、ケチらず適正量を使用することが重要です。
珪砂の購入単位と保管について
市販の珪砂は、20~25kg入りの袋で販売されていることが多いです。使用面積に応じて必要な袋数を計算し、少し多めに用意しておくと安心です。保管場所は、雨や湿気を避けた乾燥した場所がおすすめです。湿った珪砂は施工が難しくなるため、開封後はできるだけ早く使い切るようにしましょう。
人工芝の施工時に珪砂を使う際のポイント
実際に施工する際、以下のポイントを押さえると、美しい仕上がりになります。
1.均等にまくことが重要

一部に偏ると、見た目が悪くなるだけでなく芝の倒れや浮きの原因になります。ふるい器やスコップなどを使って、均一に珪砂を散布しましょう。
2.ブラッシングで珪砂を芝に馴染ませる

まいた珪砂は、ホウキや人工芝用のブラシで逆立てるように擦り込むと、芝の根元にしっかり入り込み、芝が立ちやすくなります。
3.足りないと感じたら追加充填もOK
施工後しばらくして芝が寝てしまった場合は、追加で珪砂を充填することで、再び芝を立たせることが可能です。
よくある質問
Q1. 珪砂の代わりに他の素材を使っても大丈夫?
一部ではゴムチップや木粉なども充填材として使用されることがありますが、耐久性・防草効果・排水性の観点では珪砂が最も安定しています。
Q2. 子どもやペットへの影響は?
人工芝用の珪砂は、しっかり選べば安全性の高い素材が使われています。ただし、使用前に「遊離シリカ」などの表示がないか確認しましょう。心配な場合はコーティングされた安全な人工芝専用珪砂もあります。
まとめ
人工芝を美しく、そして長持ちさせるためには、人工芝の珪砂の使用が非常に重要です。「人工芝の珪砂は何号を選ぶか」「人工芝の珪砂の量はどれくらいか」を事前にしっかり把握しておくことで、施工の仕上がりが大きく変わってきます。見た目だけでなく、機能性や安全性にも配慮した充填材選びで、満足のいく人工芝空間を作りましょう。さらに詳しい人工芝の施工方法や珪砂の使い方を知りたい方は、お気軽に専門の外構業者へ相談するのもおすすめです。プロのアドバイスで、失敗のない人工芝施工を実現しましょう。