人工芝のメリット・デメリットご紹介。長年、天然芝と人工芝の施工をしてきたプロからの視点でより詳しくご紹介します。またデメリットにはおすすめの対策案も一緒に掲載しております。
人工芝のデメリット
人工芝のデメリットはどんなものがあるのでしょうか?ここでは良く言われているデメリットをあげてみました。おすすめの対策案もご紹介します。
天然芝に比べて初期コストが高い
人工芝の値段は安いものもあれば高い物もあります。リアルな物や高耐久の物になると当然、お値段は高くなります。この他に下地の処理の仕方やカット加工が多い場合でも値段は変わります。安い人工芝を使って施工しても通常の天然芝であれば安くなると思います。
おすすめ対応策:下地だけ業者+残りはDIY
コストを下げたい場合は、下地だけ業者にお願いして残りはDIYでやるのがお勧めです。品質を下げず、かつキレイに仕上がります。
夏場は温度が熱くなりやすい
人工芝は熱を吸収しやすい化学繊維で出来ているので夏場は結構熱くなります。素足はやめた方が良いですね。やはり天然芝の方が熱くはならないです。最近では熱くなりにくい人工芝もあるようです。
おすすめ対応策:冷却するには水撒きがおすすめ
一番、早いのが水を撒く事です。熱が下がるのも早く、ある程度はこれで解決するのではないかと思います。
おすすめ対応策:熱くならない遮熱タイプを使用する
人工芝も常に進化しています。検証はしていませんが最近では熱に強いものも出てきています。コストも高くなると思いますが一つの選択肢として検討してみてください。
水はけが悪い
人工芝には通常、透水穴と呼ばれる水を逃がす穴があります。ないものは水はけが悪くなります。人工芝自体というより下地がどうかによって影響します。下地が土とコンクリートでは全然違いますし、コンクリートも水勾配がついているのかにもよります。まずは付けたい場所がどうかを考えましょう。基本的にはちゃんとした施工をしていれば、よほどの大雨や水害でもない限り問題はないと思います。
おすすめ対応策①:通気性・透水性の良い人工芝を選ぶ
透水穴はマストです。サンプルをもらって確認しましょう。通気性も良くなるので乾きやすくなります。
欠点としてはその穴から草が生えてくる事があるので、下地には防草シートを敷く事をお勧めします。
おすすめ対応策②:水はけの良い下地(山砂・砂利)にしてもらう。
山砂は花崗岩という岩が細かくなって砂状になったものです。 砂に水が滞留しにくく、排水性が高いという特徴があります。また小さい砂利も有効です。
おすすめ対応策③:ベランダ・バルコニーには水はけマットタイプ
ロールタイプに比べてジョイントタイブは水はけマットがついている物が多いのでコンクリート下で良く使われますが継ぎ目が見えてしまうのが欠点です。
静電気が発生する
人工芝は素材によっては静電気を帯びやすく、特に乾燥した環境や秋冬の季節に静電気が発生することがあります。これにより、歩く際に不快な静電気を感じることがあるかもしれません。
おすすめ対応策①:静電気防止スプレーをまく
人工芝用の静電気防止スプレーがありますが、それ用じゃなくても問題ないと思います。ただ広い所だと結構コストが掛かってしまうので面積が少ない箇所に使うのが良いと思います。
おすすめ対応策②:水をまく
乾燥が静電気の原因なので軽く水を撒くと解消します。広い箇所だとこちらをお勧めします。タダではありませんがスプレーよりはコスト減です。濡れたくない場合は事前に軽く撒くのが良いでしょう。
設置後の修復が難しい
一度人工芝を設置すると、部分的な修復や補修が難しく、損傷が発生した場合には大規模な修理が必要になることがあります。また、部分的な補修をしても、新しい芝と古い芝の色や質感が合わない場合があり、見た目が悪くなることもあります。
掃除・メンテナンスが必要
天然芝とは違う意味で人工物ならではのメンテナンスは必要になります。パイル(人工芝の葉の部分)が抜けたりしても枯れたりしないのでずっと残っています。ホウキで掃いたり掃除機で吸ったりする必要があります。天然芝よりはメンテナンスは少なめですが全くないわけではありません。汚れに関してはむしろ、天然芝より大変な事もあります。上記でふれたとおり、設置後の修復が難しいのでお手入れはしっかりとしましょう。
泥汚れや油汚れは中性洗剤を付けた布巾で
バーベキュー後の油ハネの汚れ、水洗いでも落ちない泥汚れは中性洗剤を含ませた布巾で拭いてみましょう。そのあとに水洗いしてそれでも落ちなければデッキブラシでこすってください。中性洗剤を直接つけるとダメになる人工芝もあるようですので、なるべく布巾に含ませてから使用してください。勿論、大丈夫な物もあります。
髪の毛やチリなどのゴミはホウキか掃除機で
基本的なゴミ・ホコリなどは掃除機やホウキ等で大丈夫だと思います。あまりに吸引を強くしすぎるとパイルの抜ける原因になるので掃除機の吸引力は控え目が良いでしょう。
ペットの排泄・臭いは水洗い
ペットの排泄はすぐ取り除いて水洗いしてください。匂いの元になります。ペットを飼っていなくても鳥のフンが落ちてくる場合もあります。こちらも衛生上良くないのでお気を付けください。
人工芝には発がん性の有害物質がある?
人工芝自体にあるのではなく、人工芝にまくゴムチップに発がん性の疑いがあると言われています。実際に、ゴムチップの成分から高濃度の鉛が検出されましたが、これに関してはグレーな案件です。このゴムチップはスポーツ用に使われるもので選手たちの足腰の負担軽減やプレーの安全性向上のために撒かれています。したがって家庭用では必要はないのではないかと思います。
人工芝のメリット
次は反対にメリットとしてよく挙げられている内容を取り上げていきます。メリット・デメリット両方、記載があるものもございます。メリットに書かれている事は実際にはどうなのでしょうか。
メンテナンスが簡単
天然芝と違い、人工芝は草刈りや水やり、施肥などの定期的な手入れが不要です。デメリットでも紹介しましたが酷い汚れでなければ人工芝の方がメンテナンスは少ないでしょう。
安定した色を保てる
人工芝は季節や天候に関係なく、常に美しい緑を保つことができます。特に冬や乾燥する時期でも変わらない見た目が維持できるのが魅力なのですが、経年劣化により少しずつ変色していきます。最近ではUV耐性がある人工芝も出ているので今後はさらに安定すると思われます。
耐久性が高い
高品質な人工芝は耐久性があり、頻繁に人が歩いたり、遊んだりする場所でも長持ちします。スポーツや子供の遊び場にも適しています。逆を言えば低品質な人工芝もあるということです。スポーツ施設や・幼稚園・保育所など安全性が必要な場合は耐久性の高い人工芝が必要となってきます。
雑草が生えにくい
人工芝には雑草が生えにくく、天然芝と比べて除草作業の負担が大幅に減ります。とはいえ、全く生えないわけではなく透水穴・際・桝まわりから雑草が生えてくる事がよくあります。これを軽減するのは雑草シートを人工芝の下に敷くと良いでしょう。
費用対効果が高い
初期費用は高いものの、長期的には水道代やメンテナンスコストが削減されるため、結果的にコストパフォーマンスが良いといえます。
ペットに優しい
人工芝はペットが遊ぶのにも適しています。ペットが天然芝を掘り返す心配もなく、泥で汚れることもないため、清潔な状態を保てます。また、排泄物も簡単に掃除できる点が便利です。
日陰など場所を選ばない
天然芝が育たないような場所、例えば日当たりが悪い場所や土壌が適さないエリアでも人工芝は設置可能です。また、ベランダや屋上、インドアスペースにも敷けるので、さまざまな場所で緑を楽しむことができます。これは人工芝の醍醐味ですね!
色やパイルの長さが選択できる
人工芝にはさまざまな色や質感、長さのバリエーションがあり、好みや用途に合わせて選ぶことができます。特定のデザインやテーマに合わせて、庭や敷地全体の美観をカスタマイズできるのも特徴です。これも人工芝ならではのメリットです。
虫の心配が少ない
天然芝と違って、人工芝には害虫や寄生虫が住みつきにくいのは確かです。ですが、適切なメンテナンスを行わないと害虫が発生することもあります。例えば水はけが悪いと蚊やダニが発生しやすくなり、定期的な清掃と排水管理が重要で、雑草の侵入を防ぐ対策を取ることで、害虫の問題を最小限に抑えることができます。
滑りにくい表面
雨で濡れると滑りやすいとは思います。短いパイルも滑りやすいです。ですがサッカー等のスポーツに使われる人工芝は滑りにくい素材で作られているため、雨が降っても水はけが良く、滑る心配が家庭用に比べて少ないです。安全性が求められているスポーツ施設や子供の遊び場で活躍します。
防音効果がある
人工芝はクッション性があり、歩行音や物を落としたときの音を軽減する効果があります。これにより、特にマンションやベランダでの設置時に、周囲への音の影響を抑えることができます。
メリットとデメリットは使う商品、施工方法、施工する場所の条件、施工した会社によって軽減する事もできるし、その反対もあり得ます。今後、デメリットに対応した商品もどんどん出来るでしょう。何をもって人工芝にしたいのかを明確にしていく事が大事だと思います。それによって使う商品や施工方法も変わってくるでしょう。